ごあいさつ

 当社は大正3年横浜に光学用品輸出入商として,鈴木保商店を開業,以来第二次大戦の前後に若干の空白期間をおきましたが,昭和25年東海産業株式会社として再発足今日に至っております。この間波欄の多い日本の一小企業として幾多風雪の洗礼を受けましたが,一貫して誠実を旨とし些少なりとも斯界に貢献致したく努力を重ねて参りました。
 営業の形態,その品目は時代の推移と共に変遷致しましたが,今後ともレンズデザイナーとして光学用品を中心に電機的関連を開発し,製品の向上,技術の切硅琢磨に努力致します。
何とぞご支援の程お願い申し上げます。

東海産業株式会社


品川名款八景 『入船夕照』 
ここに掲載の平板印刷の浮世絵は安永5年前後(1770年代)に勝川春章が品川の遊女を描いたものとされております。この画面の中に虫眼鏡、懐中鏡、覗きからくりが巧みに使われて艶冶な構図になっております。
これらの光学的というべき器具は当時としてはまさに珍物というべく『入船夕照』 と題したのは当時の庶民垂涎の的である舶来品の意を寓しているといわれております。
当社が主たる商品として製作しておりますルーペに関係のある珍しい浮世絵としてごらんに入れる次第です。現在当社はさまざまな光学機器を世界各国に輸出しておりますが品川の二美人は夢にも考がえなかったことでございましょう。