ピーク・テレセントリック・ルーぺ7X
1999

 このルーべは特殊用途のもので、拡大率は7倍です。
これはスケールルーのペ一種で、前端に透明なガラス・スケールがあり、これを被検物体にあてがって、その長さを測定するために用いられます。
 ただしその光学系は通常のものと異なり、レンズ系の焦点の位置に固定された小さな開口を持つテレセントリック系になっておりますので、この開口を通してのぞくことにより、平面的な物体はもとより、小さな球体、円柱などのような立体的な物体の長さや幅を視差なく測定することができるという、大きな特色があります。本器はその原理上、高価な輪郭投影機と同等な、ハンディーな測定器です。本器のレンズ系は2群3枚構成で、この目的のために特別に設計されたものであります。


 ご使用の際は、まず上部のターレットを回して、開口絞りを最大直径(3o)とし、つぎにギザギザのついた外部鏡胴を回してガラス・スケールとレンズ系との間隔を調節し、スケールが目ではっきり見えるようにしておきます。それからこのスケール板を被検物体に接触させ、スケールによって物体の長さを読取ります。
 スケールは全長20o、0.1o刻みですから、物体の長さを誤差0.03o以下で測ることができます。

 立体的な物体を測定する場合には、開口絞りを最小直径(1o)にするか、事情が許せばスリット(幅0.5o)にし、スリットの向きを、測定しようとする長さの方向と垂直にして使用します。このようにしても、物体の中でスケール板から離れた部分はビント外れとなって鮮鋭に見えないことがあります。しかしこの場合でも、ボケて見える像の中心を読むことにすれば、テレセントリック系の性質上、測定に誤差は入りません。開口絞りが小さく、視野が暗くて困る場合には、被検物体を強く照明して下さい。


 このルーペは水銀温度計の読取り用としても極めて有効に用いられます。この場合にはなるべくスケール板を外し、透明鏡胴の端面を正しく温度計に押しつけておいて温度目盛を読取ります。
 温度目盛と水銀柱とが同一平面上にない場合でも、視差による誤差は全然入らず、極めて正確な測定ができます。
 この場合、スリット型の開口絞りを用い、スリットの向きを温度目盛の刻線に平行にして使うのが最も有効です。(測定者の体温によって被測定温度が変わらないように十分ご注意下さい。)
 また透明鏡胴部分を外して、これを適当な長さの筒に換え、その前端面を電流計や電圧計などの計器窓にぴったり当てがいますと、メーター指針の指示する目盛を、視差による誤差なしに極めて精度よく読むことができます。
拡大率
視野
有効径
寸法
重量
7X
24oφ
2o
38φ×74o
73g

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